世界に書を芸術として拡めた

 しま ゆう けい

(1901〜1987)

「昭和の三筆」と称えられる現代書の先駆者。

中国や日本の古典を徹底的に追究し、あらゆる臨書・書法を会得したのち、

東洋独自の伝統を踏まえつつ、世界に通じる新しい書 開拓しました。

それは長年の試行錯誤の末、

 象 書 しょう しょ(文字内容に相応しい形 の書を1字・2字の少字数で創作すること)

という造形性豊かな書の新しい様式美を確立しました。

象書作品の代表作「崩壊」は、昭和32年サンパウロ・ビエンナーレ展に日本代表書家としては初めて招待出品され、世界でも高い評価を得ました。さらに、昭和33年ブリュッセル万国博覧会「近代美術の50年展」に富岡鉄斎・梅原龍三郎・井上有一と共に日本代表として「抱牛」を特別指定出品し、マチス・ピカソ等当時の世界の美術界の巨匠に伍して最高の殊勲金星賞を受賞。右卿の書は一躍世界の注目を集め、書芸術の国際的な評価を高める契機となりました。

1字・2字の「象書」は漢字が読めない外国人にも一目見て文字の持つ抽象的意味を理解させることができます。右卿は現代書道に新たな分野を開拓し、世界に通じる芸術書を打ち立てました。

昭和60年(1985)、中国・北京革命歴史博物館中央大正庁において日本人として初の「日本手島右卿書法展」を開催、観客11万人を動員するなどし、国内のみならず国際展の出品を重ね、「抱牛」(Hōgyū)は東京国立近代美術館に書家として初めて収蔵されました。

作品は東京国立博物館ほか、海外の数々の美術館に収蔵されております。

―――――――――主な収蔵先―――――――――

東京国立博物館 東京国立近代美術館 東京都美術館

伊勢神宮 毎日新聞社 光ミュージアム

ローマ法皇庁 ベルギー王立美術館 ボストン美術館

ロンドン大使館 パリ大使館 ブリュッセル大使館

スペイン国政府 ホワイトハウス ニューヨーク市長室

アントワープ王立美術大学 中国杜甫草堂

ローマ日本アカデミア ニューヨーク・ジャパンハウス

その他

―――――――――主な経歴―――――――――

明治34年 (1901) 11月3日、高知県安芸町(現安芸市)に生まれる。本名南海巍(なみき)

川谷尚亭、比田井天来に師事。

文化功労者 安芸市名誉市民

日展参事 毎日書道会理事 独立書人団会頭

抱雲会会長 全日本書道連盟顧問

日本書道専門学校初代校長 専修大学文学部初代教授

文部省国民精神文化研究所講師

文部省教材等調査審議会委員

芸術科書道指導要項編集委員

外務省訪欧文化使節団長など

昭和62年(1987) 3月27日、鎌倉市にて没す。享年86歳。

正四位勲二等瑞宝章を追贈される。

高知県名誉文化賞を受ける。

韓国国際平和賞中央審議会より大韓民国記念教育文化賞を受ける。